ギアが入らない、ギア抜け |
駐車していたら燃料漏れ |
チャンバーが割れる |
パワーが出ない |
アクセル一定でギクシャクする |
走行中エンジンが止まる |
白煙が多い |
冷却水が減る |
オーバーヒート |
燃料コック |
SDRには多い症状のようです。
ミッション本体の問題と、エンジンマウントの問題、シフトリンケージの問題に
大別できると思います。
ミッション本体の場合
部品名で言いますと、シフト・フォーク、シフト・シャフト、シフト・ドラム辺りに
問題があります(一概には決められませんが・・・)。
クラッチを使わないでシフトダウンやアクセル全開のままでクラッチだけ切っての
シフトアップは負担大です(^_^;)
ミッション系はエンジンをばらさないと交換できない物が多いので出費大になります。
エンジンマウントの問題
SDRはエンジンの前後をラバーマウントで支持しています。
これは振動低減には役立ちますが、経年変化でのへたりが避けられず
エンジンが動いてしまう原因になります。シフト操作の力がきちんと
伝わらずギヤが入らない、ギヤ抜けの原因になる場合があります。
部品交換にはかなりの出費になります(特にR部分)。
シフトリンケージの問題
SDRには当時としてはゴージャスなステップが採用されています(^^)
各パーツ自体のガタがあるのは仕方ありませんが、このガタが何個もある
わけでこのガタがギヤが入らない、ギヤ抜けの原因になる場合もあります。
遊び分を見越して調整するといいかもしれません。マメな給油もして下さい。
今までに多い体験談は、朝一の始動ができなかったり始動が困難な
場合が多いと思います。走行直後の始動困難とは分けて考えた方が
いいので、状況をよく把握しておいて下さい。
原因は様々で全てのトラブルがこれに当てはまるとは思いませんが
SDRに多い例として、フロートバルブの故障と燃料コックの故障が
多いようです。
フロートバルブの問題
これは油面を一定に保つための物で、一定以上の油面になった場合は
燃料をカットするバルブです。金属同士が触れ合っていますので
摩耗が起きやすいですし、ちょっとしたゴミ(タンクの錆びなど)が
引っかかってもバルブがきちんと閉じません。
バルブが閉じないということは燃料がいつまでも流れ続ける訳ですから
行き場を失った燃料はキャブの外に排出されます。
しかし、その排出用の通路が詰まりぎみの場合は最悪クランクケースまで
行ってしまうこともあるようです。
こうなってしまうとエンジン始動時に必要以上に濃い状態となり
エンジンが掛からなかったり、掛かりにくい状態になります。
燃料コックの問題
上記の状況を防ぐためにSDRにはオートコックが採用されています。
これはコック位置がオンかリザーブの位置にある場合はエンジンが止まって
いる時は燃料を自動でカットしてくれる物です。
若い方にはピンと来ないかもしれませんが、昔はそんなコックは無く
駐車する時は燃料コックをオフにするのが常識でした(^_^;)
そんな便利なオートコックですが、SDRの物はトラブル多いようです。
きちんとカットしてくれないので上記との複合により掛かりにくくなる
SDRが多いのです。
私も毎朝押し掛けしていた時期があります(^_^;)
燃料コックもフロートバルブも問題無かったと思うのですが
毎朝掛からないのです。ゲロ吐きそうになりながら押し掛けしていました。
私は路駐だったのですが、止める場所が変わってからでした。
駐車する場所に勾配があり、いつも前下がりで駐車していたのですが
どうやらそれが原因だったみたいです。後ろ下がりで駐車するようにして
からは一発で掛かるようになりましたが、気づくまでに数週間も辛い思いを
強いられていました(^_^;)
朝バイクを見たら周りがガソリンの海・・・。こんなことは避けたいです(^_^;)
この場合は上記に書いた「エンジン始動せず、始動困難」の原因か燃料タンクの
給油口の蓋に問題あります。
タンクキャップのゴムパッキンがおかしくなり、燃料を満タンにすると溢れて
くる例が何件か報告されています。
この場合はパッキン単体では部品供給されていませんのでタンクキャップAssyでの
交換となってしまいます。鍵も変わってしまいますので(これに関しては裏技あります)
8分目で給油を終えるのが得策ではないでしょうか?(^_^;)
新たに情報をいただきました。
SRX400/600の物は単品の設定があるそうです。
参考品番、価格:1XL−2414A−01[カバー,フィラー]1,600円
どうも私が想像していた物と違うことが分かりました上記の品番はこれです。
「社外チャンバーのフランジからのオイル(排ガス)漏れ」のトラブル
社外チャンバーはエンジンとの接合をスプリングのみで行っている物がほとんど
なため、ノーマルの様に気密性は良くありません。
ここからの排気ガス漏れが最もパワーダウンにつながりますので無視はできませんね。
一般的にはシリコン系の液状パッキンを使用します。
スリーボンドや信越化学が有名です。
しかし、これらは高価なためちょっとためらってしまいます(^_^;)
ほぼ同様の効果が(あくまでもこの件に関してだけです)得られる物が
セメダイン社のバスコークです。5〜6百円だと思います。
全ての物に言えますが、耐久性はあまりありませんのでまめにメンテナンスが
必要と思います。
これもSDR特有の症状です。
「ギアが入らない、ギア抜け」のトラブルで書いた、エンジンマウントが
どうやら原因らしいです。
これがへたるとエンジンが多少動くようになり、振動が増大してチャンバーに
ストレスを与えているらしいです。ノーマルチャンバーは構造上割れにくくなって
いますが、それでも割れた方もいらっしゃいますので社外チャンバーでしたら
尚更われやすいです(^_^;)
チャンバーが割れてしまった場合はバイク店に修理を出すよりは町の鉄工所などに
直接持っていった方が安価に修理できます。
お茶菓子持参で行けば吉かもしれません(^^)
今までに寄せられた事例としてはYPVS絡みが多いようです。
1:YPVSバルブの組み付け不良
YPVSバルブが上下逆さまの状態で組み付けられていたそうです。
この状態では高回転域にはバルブが閉じてしまいますで本来の出力は
望めません。
2:YPVSバルブを固定しているボルトの脱落のためバルブ動作せず
これ、どこのボルトか分からないのですが、プーリーの取り付け
ボルトの事かと思います。
3:YPVSバルブ連結部の折損
YPVSバルブは2分割された物をボルトで1個の物に連結していますが
連結部のピンの折損によりバルブが片側しか動かない状態だったそうです。
簡易点検方法
チャンバーを外し排気口を覗くとYPVSバルブが見えます。
その状態でメインスイッチをオン・オフしてみて下さい。
バルブがきちんと動くか確認できます。
6速全開で120km/h位しか出ない場合は点検してみて下さい。
(エンジンのへたりでもパワー出なくなりますが・・・)
パーシャル(加速も減速もしない状態)時にエンジンがバラツキ
ギクシャクする場合は先ずキャブの状態を確認して下さい。
この様な状態の場合は燃料はスロー系からの供給が主になります。
パイロットジエットやパイロットエアジエットが担当します。
これらのジエットは口径が小さく詰まりやすいのも事実です。
ケミカル等でも詰まりが取れないことが多いので御法度とされていますが
細い針金で扱いてやると綺麗に なったりします。
できたら新品に交換してしまった方がいいですが・・・。
次に2次空気の吸い込みが無いか確認して下さい。
2次空気とは、キャブ以降からエンジンにに入ってしまう空気を言います。
キャブで適正にガソリンと混合された空気以外の空気を吸うことで
混合比が薄くなり、最悪はエンジンが焼き付くこともあります。
キャブとエンジンを繋いでいるインシュレーターの亀裂が代表例です。
又最近多発している事例として、クランクベアリングのオイルシール不良に
より2次空気を吸っているSDRが多いようです。この場合は異音がしたり
エンジンが掛かりにくくなったりします。
簡易点検
左側の点検はLクランクケースカバーを外すとマグネット・フライホイールが
見えます。その周辺にオイルが付着している場合はシール不良と判定できます。
右側はかなり面倒です。左がダメでしたら右もダメになる可能性高いですので
思い切って左右同時に交換して下さい。
これも体験したくないトラブルですが、SDRには多いみたいです(^_^;)
大きく分けると火花が飛ばない場合と燃料が行かない場合に起こります。
SDRの場合は後者の事例が多数来ています。
燃料タンクのエア抜きの詰まりや燃料コックの動作不良が原因です。
「エンジン始動せず、始動困難」とは逆に必要な時に燃料をカットして
くれるので捨てたくなりますね(ノ-_-)ノ┻━┻
動作原理はエンジンで発生した負圧で燃料の通路を開閉します。
コックその物の不良だったり、負圧ホースの亀裂、詰まりだったりします。
この場合は応急処置としてコック位置をPRI(prime)にすることにより
負圧とは関係なくガソリンをキャブに送りこむことができますので
万が一の時はやってみて下さい。
2サイクルエンジンは構造上4サイクルエンジンと違いエンジンオイルを
ガソリンと一緒に燃やしています。
まーこれが毛嫌いされる要因の一つでもありますが・・・・。
先ずはじめに、正常なのか異常なのかの判断です。
オナーさんの乗り方などによってはチャンバー内に多量のオイルが溜まり
それが燻りながら燃えている場合が多いです。連続全開走行後はアイドリングでも
後ろ真っ白なんてありますから(^_^;)
始動直後は燃焼温度も低いため煙出やすくなりますので一概に異常と判断は
出来ないのが事実です。判断基準として、オイル1リットルで800km位は
走れるはずですから、極端に早くオイルが無くなってしまう場合はオイルポンプの
交換になります。
また、「アクセル一定でギクシャクする」のトラブルで書いたクランクベアリングの
オイルシール不良(右側)により、ミッションオイルが燃焼室に入ってしまった
事例も報告されています。この場合は半端じゃなく白煙出ます(^_^;)
SDRはリザーバータンク(点検しづらい)を持っていますので自然と冷却水が
減ることはほとんどありません。なのにラジエターが空ってことがあります。
外部に漏れた形跡が無い場合は大抵ミッションケースに行ってしまっています。
冷却水の流れはラジエター→ウオーターポンプ→シリンダー→シリンダーヘッド
→サーモスタット→ラジエターと流れます。
漏る箇所は各ホースの繋ぎ目やガスケット部分からですが、唯一ミッションと
接している部分があります。ウオーターポンプの動力をもらうために
ミッションケースへシャフトが出ています。ここのオイルシールが壊れると
冷却水はミッションケースに入り込んでしまいます。
この場合はミッションオイルが白濁しますので直ぐに分かると思います。
(オーバーヒートに気づく方が先ですが(^_^;))
「オーバーヒート」のトラブル
SDRには水温計がついていないのでオーバーヒートに気づきにくいです。
メーターにある警告灯は水温が一定以上になったら点灯するので
点灯したときにはすでに危ない状況だったりします(^_^;)
オーバーヒート気味になるとエンジンの力無くなったり、ノッキング音
(アクセル開けた時にカリカリという音)がします。
この場合冷却水が入っているか、いないかによって対処方法が変わります。
冷却水の確認方法。
1:リザーバータンクで見る
2:ラジエターキャップを外して見る
この場合1は当てになりません。確実なのは2なのですが、これには非常に
危険が伴います。ラジエターはラジエターキャップにより加圧されています
安易にラジエターキャップを外すと高温の冷却水が吹き出し火傷したり
失明したりします。
普段エンジンが冷えている時に外す練習をしておくといいかもしれません。
SDRはラジエターキャップがボルトで固定されており工具無しでは外せません
私はボルトを外してしまいいつでも手で外せるようにしています。
ラジエターキャップは約90°の操作で外れる仕組みになっています。
取り付けも同じです。外してみると分かると思いますが、爪が引っかかり
外れない仕組みです。
オーバーヒート時の外し方
ウエス(無ければ自分の手袋を外して)を当てます
ラジエターキャップを回す時、体重をラジエターキャップを抑える(下向き)
方向に掛けます。 約90°回しロックが外れるのを確認します。
この時も体重は掛けたまま(ここで力を抜くと冷却水が吹き出します)
減圧するためにほんの少しだけ力を抜き、シュっと圧が抜けたら直ぐに
力を加え加圧します。ラジエター内の圧力が完全に抜けるまでこの操作を
繰り返します。
本当に危険です!
冷却水が入っている場合
この場合はエンジンを止めずに走り続けて下さい。SDRにはゴージャスな
電動ファンなんぞ付いていませんから、エンジン負荷を出来るだけ抑えて
走行すれば水温は自然と下がります。
冷却水が入っていない場合
エンジンは止めて日陰の風通しの良い所で一服しましょう(^^)
そして何故冷却水が無くなったかの原因を特定して下さい。
ラジエターに穴が開いたのか?ホースが裂けたのか?
「冷却水が減る」のトラブル状態なのか?色々な原因が想定されますが
小さな穴や「冷却水が減る」のトラブル状態でしたらラジエターキャップを
外したままでの状態でしたら結構自走出来たりします。これは加圧をしない
ことで冷却水を極力逃がさない目的です。
コンビニで水を買ってゆっくり帰りましょう。
SDRに多い燃料コック」のトラブルについてまとめました。
長くなったのでこちらをご覧下さい。