スパークプラグ

エンジンが調子良く回る条件として良い火花、良い圧縮 、良い混合気となっています。
このうち良い火花は比較的簡単に点検整備が行えますのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
まずは、プラグの基礎知識から説明していきます。
但し、個人の知識レベルで書いていますから間違っているかも知れませんし、これを読んで実行し、何らかのトラブルがあった場合でも、筆者らは責任を負えません(;^_^Aアセアセ
より詳しく知りたい方は、プラグメーカーのHPを見るとかなり詳しく解説されていますので其方をご覧下さいね。

整備書は必ずご用意して熟読しておいて下さい

この通りに作業して、何かトラブルがあった場合でも、作成者は一切の責任を負いません。悪しからず(;^_^Aアセアセ

●寿命はどのくらい?
使用環境、乗り方なんかでは寿命は大きく変わります。
一般的に4輪で2万キロ以下で交換、2輪は常用回転域が高いので 5千キロ以内、さらに2stは4stの倍の爆発があるのでさらに半分 一般的な使い方でこんな感じでしょうか?過激な方ですと千キロ位しか 持たない場合もありますね(^_^;)
そんな訳で2,000km位で交換すれば快適に乗れると思います。
交換した物は捨てずに予備のプラグとして積んでおくのがいいかも しれません。

●プレイグニッション温度と自己清浄温度って何?
プレイグニッション温度と自己清浄温度と言う言葉を聴いたことがありますか?
スパークプラグには、性能を発揮できる温度範囲があって、その温度範囲を 超えると、プラグは機能しなくなってしまいます。
(Fig.1グラフ参照)
俗に言う焼け過ぎは、プレイグニッション温度域あたりの場合で、約800℃前後でしょうか?
800℃あたりの焼け過ぎ状態を超え、950℃以上になると異常燃焼によりエンジンに ダメージを与えてしまう場合があります。
自己清浄温度の限界ラインは約450℃付近で、プラグがその温度域あたりを超え 使用可能範囲の500℃〜800℃近辺では、付着したカーボンが熱で焼ききれるので、 綺麗な黄金色に焼けた状態になります。
また、プラグにカーボンが付着してかぶりやすくなっている場合は、自己清浄 温度ライン付近なのでしょう。
ちなみに、カブって掛からなくなっている場合は、自己清浄温度ライン以下です。

●プラグの番数は、数字が大きいほどエライ?
この品番の数字を『プラグの番数』等と言い、数字が大きいほど『熱価が高い』 と言います。プラグの番数が低い場合は、逆に『熱価が低い(焼け型)』と言います。
熱価が高いプラグは『冷え型』などとも言い、レースなどでは高熱価のプラグを 使用しますから、なんとなく数字が大きい方がエラい様な気がしませんか?
でも、決してそんなことは無いんです。
点火プラグは中心電極付近に熱が溜まります。溜まった熱はFig.2に示すように 約半分くらいは碍子からネジ部を介してシリンダーヘッドへと逃がされます。
残りは、プラグ本体や、燃焼前の混合気等でも冷却されます。
従って、熱価の違いは中心電極周りの碍子が多く露出している方が、 熱の逃げが悪くなる為、『熱価が低い(焼け型)』となる訳です。(Fig.3)
低熱価(焼け型)のメリットは、カブり易い状況化でも自己清浄温度を 保ちやすく、また、碍子の露出部分が多い為にカーボンが付着していても 高熱価のプラグに比べて絶縁を保ちやすい為、失火しにくいのです。

格好だけで、高熱価のレース用プラグを選択しても、それなりの状況で 使用しなければ、むしろその性能を生かしきれません(;^_^Aアセアセ

SDRの標準プラグはNGKの場合、BR9ESです。(Fig.4参照)
場合によっては、BR8ESも使用可能となっています。
9番を使っていて常にカブリ気味なら8番あたりを、そうでなければノーマルを・・・
レースやチューニング車などにはイリジウム等の貴金属プラグも良いかも知れません。
イリジウムは、一般プラグに比べて耐熱が高く、電圧が低くても着荷可能等と 言われており、高速性能は素晴らしいものがあります。
でも、万一カブらせてしまうと、復帰は困難だったりします(;^_^Aアセアセ
(最近、2輪用に、熱価の低いイリジウムタイプが発売されました。多分カブるバイクが 多かったんでしょうね)

個人的には指定プラグを使用していれば、チューニングエンジンでもない限り 特に問題ない気がします。
1本数千円の高級プラグをセコセコ長持ちさせるより、熱価の合う一般プラグ (数百円)をこまめに交換した方が、多分調子良いように思います。










●プラグの清掃について
一般の標準プラグでしたら、単価も安いですから清掃して再利用するよりも 個人的には、新品交換をお勧めします。
標準プラグでしたらワイヤーブラシ等で清掃も可能ですが、最近流行の イリジウムや白金系の電極の細いタイプはワイヤーブラシは使用しては ダメです。
どうしても清掃したければ、整備工場などに置いてあるプラグクリーナーを 使用して下さい。
清掃して再利用する場合は、特に中心電極付近にゴミが残らないように注意 して下さい。(シリンダー内にゴミを落下させる事になります)

●点火の確認
エンジンに取り付ける前にプラグキャップに装着し、プラグの電極をエンジンに アースさせてキックを踏んでみて下さい。
しっかり火花が飛んでいるか目視点検をしてみましょう。
新品とはいえ全く火花の出ない物もありますので・・・・。
この方法による点火の確認は、実は結構危険なテストなんです。
このテストをする場合は、プラグを持つ手にはグローブ(絶縁素材)をしてください。それと古いプラグで構いませんから、シリンダーヘッドに 取り付け、生ガスが噴出さない様にしてからにしてくださいね。
万が一にも火事になったらシャレになりません( ̄□ ̄;・・・

●プラグの取り付け
取り付けの際はいきなり工具を使わずに必ず手で取り付けます。 シリンダーヘッドとプラグのガスケットが接触した所から 新品プラグでしたら約1/2回転、再使用のプラグでしたら1/12回転 位が締め付けの目安です。締めすぎはネジ山ダメにしますので 注意が必要です。

●おまけ(その1)
ターミナル(プラグの先端のアルミのネジ)は腐食します。 材質にはアルミと真鍮がありますが、真鍮の方が焼けが少ないので もしお手持ちに真鍮製の物があったら交換するといいかもしれません。
SDRのイグニッションコイルの取り付け部分はアースの役目もして いますので、本体の錆びは勿論フレーム側の状態を確認しておいて 下さい。またプラス側の電極やプラグキャップの電極も磨いておくといいです。

●おまけ(その2)
プラグコードは経年変化で酸化します。プラグキャップを外し(ネジを回す様 に左に回すと外れます)コードの先端から1cm位をカットして組み立てて下さい。 またリーク防止のため画像(Fig.5)のように インシュロックで首を絞めておくと雨の日でもリークしにくくなります。
リークと言う意味では、ケーブル自体も経年劣化により性能が 落ちてしまいます。
古いプラグコードは着火性能が落ちますので、上記作業をしても 改善しない場合は、コードの交換が必要かもしれません。
その場合は、http://yamaha-sdr.com/trouble/electricity.html#6 を参考にして下さい。




ご注意
最後に、もう一度書いておきます。このページはあくまで個人の知識レベルで書いていますから、間違ったこと書いている場合もあります。
このページにあることを実行して、何かトラブルが有ったとしても、筆者らはなんら責任を負えません(;^_^Aアセアセ
実行される場合は、自己責任でお願いします。