レクチファイヤ&レギュレータ

相変わらずトラブルの多いレクチファイヤ&レギュレータですが
本格的に測定、実験を行ってみました。(以下レギュレータ)
この実験で破損レギュレータをご提供して下さった熊倉様に感謝いたします。

レギュレータは発電機で発電された三相交流を直流へ変換し、電圧調整する物です。
これが壊れると、バッテリーが短期間で空になったり、走行しても充電しなくなります。

納豆さんに頂いた整備書のレギュレータ点検要領です
説明を読んでいるとテスタの赤線をカノードへ黒をアノードへ入れて導通と読めますが
(電気はダイオードのA→Kへ流れます)
テスターって黒線がプラスなんでしょうか?私の持ってる物は2台とも赤線がプラスです。

アナログテスタとデジタルテスタの違いなのか・・・。
そんな訳でメーカ指定のテスターでないため、結果が全く逆になります
それと、この整備書の試験では図の上部のダイオードしか測定していませんが
これでいいのでしょうか?図の黒線はレギュレータのボディーになりますが
白線〜ボディー間も当たる必要があるような気もします。

測定
取り敢えず整備書通りに測定したものの、結果はNGというか
テスタにより結果が異なりました(;^_^A アセアセ…
お互いのテスターの電圧を測ると黄色テスタは3V
グレーテスタは0.4V出ています。
それが理由かどうかは不明ですが黄色テスタでは良品、グレーテスタでは不良品となります


画像は使い回しのため数値とテスト内容は異なります。

そこで、ダイオード測定モードで測ると両テスタとも良品となります。
ちなみに電圧降下は約0.47V前後でした。

赤リード
黒リード
測定部分
導通
テスタレンジ
白1
逆方向
×
R×1
白2
白3
白1
順方向
白2
白3
赤リード
黒リード
測定部分
導通
テスタレンジ
ボディー
白1
順方向
R×1
白2
白3
白1
ボディー
逆方向
×
白2
白3
これは私の環境での測定結果です(整備書とは逆です。黄色テスタ使用)

まとめ
整備書通りの測定ではテスタ仕様により測定結果が異なりました
テスタにダイオード測定モードがあればそちらの方が正確かと思います。
なお前述した通り、テスタの極性により整備書の記述と正反対になる場合もあります。

さらに踏み込んで測定してみました


バッテリー(乾電池も可)と電源に見合う電球、電流計を図のように配線します
上図は電源のマイナスをレギュレータボディーに固定してプラス線を総当たり
下図は電源のプラスをレギュレータ右下の端子に固定してマイナス線を総当たり
この状態で電球が点くようでしたらそのレギュレータは死んでいます。
充電したばかりのバッテリーが一晩で空になるような場合はこれに当てはまります。

レギュレータはバイクから外し単独で行って下さい。
正常なレギュレータは電球が点きません
壊れ具合によっては電球が点かないかもしれないので、図では電流計も用いていますが
なくてもOKです。これでしたらテスターをお持ちでない方でも試験できます。
尚、この試験ではダイオードの機能しか分かりません。

電球の代わりにLEDも使ってみましたが僅かに点きますのでLEDでは判定できないと思われます。


破損品検証

先日掲示板で壊れたレギュレータが欲しいと書き込んだところ千葉県にお住まいの
熊倉さんに頂きました。早速破損品を検証してみます。
症状は充電した新品バッテリーが2日で空になり、走行しても充電出来ないそうです。
ご自身でもテスタによる測定をされたそうですが、良否の差が出なかったそうです。
後日レギュレータを新品にしたところ解消したそうです。

取り敢えずテスタで当たったのですが、全く問題ない状態でした。
私の持っている物と同じデータです(;^_^A
上図のような電球を使った実験でも全く問題ないです。
上記の理由から原因はレギュレータで間違いないのですが・・・。



そこで、走行状態を想定して白-白間に電源を入れ、レギュレータを通した状態で
ヘッドライトのバルブ(45W)を点灯してみます (白-白間は本来は交流が入ります)
3.7A程電流が流れています。レギュレータ本体も熱を持ち始めました。
それでも全く問題ないです(T_T)
夜間などの走行ではライト以外にテールランプや、メーター照明なども加わり
消費電力はもっと多いのですが、電源がヘッポコなのでこれ以上負荷を増やせない状態です。

しばらく様子見ということでネコと遊んでいたところ急にランプが消えました(^^)
ようやく現象が確認できました。ランプが消えるということは、実車においては
電力が供給されないのでバッテリーからの電力のみになります。
それも底をつけば電装関係は全く動かなくなります。
昼間でバッテリーの状態が良ければかなりの距離が走れますが、夜間ですと30分かな?

直ぐに電源を外しテスタで測ってみましたが、結果はOKです ヽ(。_゜)ノヘッ?
壊れていることは間違いないのですが・・・・。
そこで、先程やった逆方向のテストをすると電球は点かないものの、電流が流れています
12.6Vで僅か32mAですが今までにない状態です(^^)
しかし、5.7V以下では全く電流が流れませんので、テスタの電圧では判定できません。

その後しばらく放置しておくと自然に直っています(;^_^A
微妙に壊れているのでしょうか?

まとめ
今回の場合、通電後しばらくの間(今回の場合約15分)は正常動作をするものの、
突然出力停止、ならびに逆方向への電流も流れるようになりました。
しかし、その状態であっても整備書の様なテスタでの試験は良否の判定不可能で、
約5.7V以上ないと逆方向には流れない状態です。

今回の場合、絶対壊れているという確信があったのでしつこく実験しましたが、
通常はここまでやりませんので判定は難しいと思われます。

尚、私が持っている良品と思われる物も同様のテストを行いましたが(30分間)
2個とも異常はありませんでした。

レギュレータへの逆方向に流れる電流と電圧の関係

負荷は電球(3.4W)です。45mA以上流れないと点灯は確認できません。

良品
14.7Vまでは全く流れないのですが、それを越えると電流が流れ始めました(;^_^A
これが何を意味しているかは分かりませんが、レギュレータの最大電圧なのかな?
試しに白-白にDC17Vを掛けると赤の出力は14.7Vとなりました。
エンジン停止中のバッテリー電圧は12.6V前後ですから、全く問題ないと思います。

破損品
出力は停止状態です。
電圧に比例して流れる電流も多くなります。バッテリー電圧(12.6V)では約32mAです


おまけ



表面がゴムでしたので、ドライバーでほじってみました。
うーん、何でしょ?中央部分には制御用のチップ部品が並んでいます
抵抗とトランジスタみたいです。
その周りの黒い部分が整流の部品でしょうか?
専用であつらえているようですので、整流部分で壊れているとなると
市販のダイオードでも仕込みましょうか?放熱が問題になりそうですが・・・。
(時間の関係でどの部品がおかしいのかは調べていません)

部品番号47X-81960-A3  8,100円 (2003年の価格)
末尾の番号が当初より変わっています。
A1と書いてある物はいつ壊れてもおかしくないようですので
中古を購入される時はA1を避ける方が賢明かと思います。