Fサスペンションとバネ・オイルの関係の計算ファイルを
オーナー紹介の武山様に 頂きました。
内容が高度すぎて私にはなかなか理解できないです(^_^;)

Microsoft Excelをお持ちでしたらこちらから落として下さい。
この計算式は実測とサービスデーターを基に作られているそうです
よって、メーカーの設計値とは異なりますのでご了承下さい。



このグラフはノーマルスプリングの特性を表しています。
1段、2段と書いてあるのは初期荷重の変化量で、3mmごとに色分けしてあります。
5段ではノーマル+15mmのイニシャルが掛かっていることになります。
SDRのスプリングは2重レシオですので、ストローク量に対して反発力が変化します。
だいたい80mm位で変化がでるみたいですね。

これは空気バネのグラフです。
SDRには積極的にエアを加圧しての空気バネではありませんが、標準の油面(102mm、255cc)の
時にこのグラフのような反発力が生まれます。
ストローク量が増えるにつれ反発力は増えていき、ストローク後半以降はその率が増します。

ノーマル油面

+40mm
上記のグラフはオイル量に対する空気バネの反発力の比較です。
試しに40mm油面を上げてみました(^_^;)
ストローク中盤までは変化がほとんどありません(ともに加圧ゼロです)
大きく変わるのはストローク後半というのがよく分かるかと思います。

インシュロックをインナーチューブに軽く巻き付けておくと残ストローク値が分かりますので
試してみて下さい。

SDRのインナーチューブはφ33です。内径はφ26.8です
内径断面積は5.64cm2になります。

油面を上げるにはフォークオイルを足せばいいので、上記の条件で計算してみて下さい
10mm油面を上げるには何cc必要か?
1ccで何ミリ上がるかが計算できると思います。

尚、実際はスプリング体積やスペーサー体積も絡んできますが、この計算書では無視しています。
特性的には変わりませんが、数値が若干変わってくると思います。
ストローク後半で固いな?って場合はオイルを抜くことで解消できます。

本来ですと走行前にFフォーク内を大気圧に戻してやることが安定した特性を得られます
走行につれ内部圧力は高まります(エアを加圧した状態)のでプシューとやりたいのですが
残念ながらSDRにはその機能がありませんので、やるとなるとフォークキャップを
外すしかありません(T_T) お手軽ではありません・・・・。

このグラフは先の、金属バネ+空気バネを合成したものです。
実際の走行はこんな感じになるようです。

赤丸で囲った部分は通常イニシャルと呼ばれる部分で、ノーマルでは約20kgf(最近の単位はNです)
イニシャルを15mm掛けると約30kgfになることが分かります。
イニシャルを掛けても、全体は固くならない・・・との話をよく聞きますが、
それは体感上のお話ではないかと思います。
体感は別として、理屈ではストローク全域で影響がでます。

簡単な計算をしてみます。
便宜的にバネ定数を1kg/mmとします。このバネを1mm縮めるには1kgfの力が必要になります。
イニシャルが20mm掛かっていれば20X1=20kgfの初期荷重が掛かっていることになります。
この状態で更に10mm縮めるには10X1=10kgfの力が必要になります。
上記の20と合わせて30kgfの力がないと10mm沈められません。

同じ条件でイニシャルを更に5mm掛けたとするとトータル25mmになります
この時の初期荷重は25X1=25kgfになります。
これを10mm縮めるには10X1=10kgfと25X1=25kgfなので35kgfの力が必要になることが分かります。
この5kgfの差が全域で影響することが理解していただけるかと思います。
この差が実際の走行でどれほどの影響を及ぼすかは定かではありませんが・・・・。

20%強化バネというのが販売されています。
1kg/mmの2割増しですから1.2kg/mmとします
これに20mmのイニシャルを掛けると20X1.2=24kgfとなります。
これですと全域で固くなるというのはなんとなく分かりますが、
上記の1kg/mmバネに25mmのイニシャルを掛けた方が固いというのが
理解していただけると思います。

青丸で囲った部分は1Gと呼ばれる領域です。ライダーがまたがって全体重が掛かった時に
サスが沈みますが、その沈み具合を表します。ライダーの体重、装備、燃料の状態などで
数値が変わってきます。
メーカー設計値は55kgでやっていると思うのですが、極端に体重の重い方や軽い方は
イニシャル調整をしないと本来の設計値とは異なる姿勢となります。
リアサスにはイニシャルを調整できる機能が付いていますので、これを色々といじってみて下さい。

以上簡単にかみ砕いてみましたが、難しいですね(^_^;)
この他に減衰力の部分も絡んでくるので頭おかしくなりそうです・・・。