締める・緩めるの基本

この辺は基本なのでご存じの方も多いと思いますが(^_^;)
ボルト・ナットを締め付けたり緩めたりする場合は順番があります。
単独で使用されている物でしたら特に問題はありませんが、複数の
ボルト・ナットで1つの個体を取り付けてある場合には手順を誤ると
その物が歪んでしまうこともありうるので注意が必要です。

上の絵は締め付ける時の順番を表したものです。
左図は4本で取り付けてある場合です。
番号の位置はどこでもいいのですが、要は対角線上にやるということです。
この場合は締めるのも緩めるのも番号通りで構いません。

右図は10本で取り付けてある場合です。
基本的には内側から外に向けて締め付ける ということです。
緩める場合は番号が逆になり、10→9と緩めます。

緩めるこつ
対象物が歪まないように数回に分けて緩めます。
左図で言いますと1のボルトを90°緩めたら2→3→4と同じく
90°緩めます。通常このあとは1を完全に抜き取ってしまっても
いいのですが、歪みいやす物に関しては90°ずつ2〜3回に分けて
緩めるといいです。
右図のような長い物や、素材がアルミなどの柔らかな物は歪みやすいです。

締めるこつ
対象物が歪まないように数回に分けて締めます。
左図で言いますと1〜4のボルトをボルトの座面が対象物に触れるまで
締めます。そこから順番に90°ずつ締め込みさらに必要なトルクまで
締め付けます。歪みやす物に関しては何回かに分けて締めます。

厳密なトルク管理の必要な場所にあたってはトルクレンチを使用して下さい。
ただこれも使用方法を誤ると意味ありませんので簡単に書いておきます。
1:握り位置は正確に。これは使用説明書に書いてあると思いますので
よく読んでおいて下さい。
2:雌ネジ、雄ネジの清掃。ネジが汚れていたりしていると正確なトルク
管理ができません。エアガンや洗油で清掃します。
こだわるのでしたらタップやダイスを当ててもいいです。

こういう状況の場合は完全に液体を吹き飛ばして下さい。
対象物が割れます。

 

 

 

 


やり方としては、左図で言いますと1〜4のボルトをボルトの座面が
対象物に触れるまで締めます。
規定トルクの1/3程度で順番に締め付けます。
さらに規定トルクの1/2で順番に締め付けます。
規定トルクで締め付けた後、90°緩めます。
もう一度規定トルクで締めれば完璧です(^^)
シリンダーヘッドなどはマニュアルを参照してきちんとした手順で
締め付けを行って下さい。(中にはゼロ戻しを行う物もあります)

その他
ある程度慣れてくるといきなり工具でボルト・ナットを入れてしまいがち
ですが、最初の2〜3回転は指で入れて下さい。斜めに入れてしまった場合
指先でしたら微妙な抵抗も分かりますが、工具ですとそのままネジ山潰して
しまうからです。またピッチというものがボルト・ナットにはあります。
同径でしたらピッチ違いでもなんとなく入ってしまうのですが
2回転目からネジ山潰してしまいます。

ネジの山から山の距離です。
1回転するとこのピッチ分
ボルト・ナットが移動します。

 

 

裏と表?
普段あまり気にしない座金(ワッシャー)やナットですが、実はこれには
裏と表があったりします(^_^;)

ナット
全てではありませんが、指で触ると角がある面と無い面が存在します
この場合は角の無い方が上にきます。

平座金(平ワッシャー)
平ワッシャーはプレスで打ち抜いて造るため、角のある面と無い面が
発生します。基本的には(一部逆向き指定がある場所もあります)角の
無い方をボルト・ナットの座面と接触するように取り付けます。

ばね座金(スプリング・ワッシャー)
スプリング・ワッシャーの目的はボルト・ナットを緩み難くするためです。


横から見るとこんな感じでしょうか?(^_^;)
右からボルトが来ます。右のやつですとボルトを
締めると(右回り)●で囲った部分が引っかかりそうですね。
逆に左のやつですと締める時はスムーズですが緩める時
は引っかかります。


もうお分かりかと思いますが、正解は左側です(^^)