Rアーム関係

この部分はSDRにとって重要な部分なのですが、ノーメンテの
方がほとんどではないでしょうか?
確かに面倒臭いのは事実ですが、1度しっかりメンテしておくのも
いいかもしれません。

最初に注意事項なのですが、最悪ベアリング交換になります。
分解してそのまま翌週ままで置いておける方はいいのですが
そうでない方は注意が必要です。

各ボルトはかなりの締め付けトルクで締まっていますし
工具サイズも大きい物が必要となります。
準備段階で何が必要かよく確認しておいて下さい。

R周りを全て外すためにジャッキアップする必要があります。
ジャッキアップするまえにR周りのボルト・ナットは全て緩めます
後で苦労しないために前もって緩めておきます。
ジャッキポイントはなるべく後方で安定する場所がいいと思います
木っ端をかませるか、ウエス等で傷が付かないよう養生して下さい。
勝手にバイクが動かぬように、前輪に輪止めかゴムバンドでFブレーキを
掛けておくといいかもしれません。

外す順番の一例として
Lクランクケースカバー
ドライブスプロケット(エンドレスチェーンのみ)
Rキャリパー、ホースステー(ブレーキホースは外す必要ありません)
Rタイヤ(チェーン調整ボルトは最大に緩めておくといいです)
Rサスペンション
サスペンションリンケージ一式
スイングアーム(チェーンが切り離せない場合はそのまま一緒に)

文字で書くぶんには楽ですが、実際やるとなると大変です。
スイングアームピボット・ボルトは22mmのソケットレンチが
2個必要になることもあります(私は1個しか持ってません)
供回りしてしまったらボルト側にマイナス大ドライバー等で
押さえることも可能ですが、それでもダメでしたら諦めて
2個用意して下さい(T_T)

点検
スイングアーム
先ずピボットカラーを抜きます。ベアリングが問題なければ手で簡単に抜けます
抜けない場合は焼き付き、ベアリングの錆び等が考えられます。
ピボットカラーは問題ないでしょうか?次にスイングアームにに指を入れて
ベアリングを指の腹で回してみて下さい。引っかかりはありませんでしょうか?

こうなるとカラーもベアリングも交換です(^_^;)

サスペンションリンケージ
ここには多数のベアリングが使われています。一つ一つのベアリングを
確認して下さい。
Rサス取り付け部のピロボールはきっと固着していると思います。

Rホイール
外したついでにRホイールベアリングの状態を見ておいて下さい。
ベアリングは3個使われています。
各ベアリングにガタ、引っかかりがあったら交換です。
ホイールベアリングは専用工具無しではかなり厳しいと思います。
工具を購入するかお店で外してもらった方がいいかもしれません。

この時点で交換部品が発生したら作業中断して部品を発注して下さい。

交換
使用されているベアリングはニードルローラーベアリングがほとんどです。
場所によってはOリング付きの物が使われています(取り付け方向があります)。
抜くのは叩くだけですからさほど問題はないと思います。
挿入はベアリングの構造上シェルケースが弱いので叩いての挿入は注意が必要です。
シェルケースが歪むと交換した意味がありませんから(;^_^A アセアセ…
できたら圧入の方がよろしいかと思います。
ステムベアリングの交換で書いたような全ネジ(太さは3分か4分位でいいと思います)
とワッシャー、ナットを組み合わせれば簡易圧入工具が作れます。
リレーアームのピロボールは↑の「抜く」を参考にして下さい。

清掃
幸いベアリングに問題がなければ、清掃給油を行います。
古いグリスを洗い落とすため、灯油と受け皿、小さめのブラシを用意し
受け皿の中で各パーツを洗って下さい。
清掃が終わったらウエスで油分をふき取りしばらく乾燥させます、エアガンをお持ち
でしたらその方が早いですね(^_^;)
Rサス取り付け部のピロボールが固着している場合はドライバーの大やTレンチの枝や
適当なボルトを入れグリグリしてみて下さい。CRC等を吹いておくといいかもしれません。
そのうちだんだんスムーズになってくると思います。
必要でしたらサンドペーパーで磨いてもいいですが、できたら交換しましょう


給油
ここではモリブデングリスを使用します。
指の腹で擦り込むようにしてベアリングの隙間に詰め込みます。
回しながら行い全体に詰めて下さい。
スイングアームの所は人差し指が入るのでいいのですが、その他は小指しか入らない
のでやりにくいです。でも手抜きせずに全てのベアリングに給油して下さい。
Rサス取り付け部のピロボールは向きを90度ずらすといいかもしれません。
マイナスドライバーなどでグリスを詰めて下さい。

ここも忘れずに・・・

ホイールベアリングは(ホイール側)は構造上給油できません。
ハブ側はオイルシールを外すと給油できます。
各オイルシールのリップ(溝)にリチュームグリスを塗布して下さい。

組立
各カラー、ボルトにモリブデングリスを塗布してから組み立てます。
あとは逆の手順で元に戻します。
ジャッキを降ろした後、全てのボルト・ナットがきちんと締め上がっているか
確認して下さい。
最後にブレーキの利き具合とチェーン調整をすれば終わりです。
ビギナーの方にとっては難易度高い作業ですので
時間に余裕を持って作業願います。まる1日かかるつもりの方が
いいと思います。