スパークプラグ
エアクリーナー
キャブレター


エンジンが調子良く回る条件として
良い火花、良い圧縮 、良い混合気となっています。
このうち良い火花、良い混合気は比較的簡単に点検整備が
行えますのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
簡単な物から説明していきます。

スパークプラグ
使用環境、乗り方なんかでは寿命は大きく変わります。
一般的に4輪で2万キロ以下で交換、2輪は常用回転域が高いので
5千キロ以内、さらに2stは4stの倍の爆発があるのでさらに半分
一般的な使い方でこんな感じでしょうか?過激な方ですと千キロ位しか
持たない場合もありますね(^_^;)
そんな訳で2,000km位で交換すれば快適に乗れると思います。
交換した物は捨てずに予備のプラグとして積んでおくのがいいかも
しれません。

標準プラグでしたらワイヤーブラシ等で清掃も可能ですが
最近流行のイリジウムや白金系の電極の細いタイプは
ワイヤーブラシは使用してはダメです。
どうしても清掃したければ、整備工場などに置いてある
プラグクリーナーを使用して下さい。

エンジンに取り付ける前にプラグキャップに装着し、プラグの
電極をエンジンにアースさせてキックを踏んでみて下さい。
しっかり火花が飛んでいるか目視点検をしてみましょう。
新品とはいえ全く火花の出ない物もありますので・・・・。

取り付けの際はいきなり工具を使わずに必ず手で取り付けます。
シリンダーヘッドとプラグのガスケットが接触した所から
新品プラグでしたら約1/2回転、再使用のプラグでしたら1/12回転
位が締め付けの目安です。締めすぎはネジ山ダメにしますので
注意が必要です。

おまけ
ターミナル(プラグの先端のアルミのネジ)は腐食します
材質にはアルミと真鍮がありますが、真鍮の方が焼けが少ないので
もしお手持ちに真鍮製の物があったら交換するといいかもしれません。
SDRのイグニッションコイルの取り付け部分はアースの役目もして
いますので、本体の錆びは勿論フレーム側の状態を確認しておいて
下さい。またプラス側の電極やプラグキャップの電極も磨いておくといいです。

プラグコードは経年変化で酸化します。プラグキャップを外し
(ネジを回す様に左に回すと外れます)コードの先端から1cm位を
カットして組み立てて下さい。またリーク防止のため画像のように
インシュロックで首を絞めておくと雨の日でもリークしにくくなります。

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エアクリーナー
SDRの物は湿式タイプです。
発売されてからかなりの年月が経っていますので、1度も交換していない
スポンジは油分が抜けボロボロになっている物が多いと思います。
それほど難しくはありませんので是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

手順
シート取り外し
タンク取り外し
 タンクを外す際、燃料ホースは燃料コックのOUTかキャブの所で切り離し
 コックはタンクと一緒に外すとスムーズです。

エアクリーナーケース・カバーの取り外し
これでエアクリーナーが見えます。
冒頭でも書いたように、スポンジの状態を確認してみて下さい。
ボロボロ剥がれ落ちてしまっていたら交換になります。
スポンジを外したらホコリがケースに入らぬようウエスでも掛けておきましょう。

洗浄
洗浄には水or灯油orガソリンで行います
左から危険度低、経済性良、乾燥時間大となります。
水で行う場合は台所用洗剤も必要です。
ここでは灯油を使っての説明をしたいと思います。

先ずスポンジを裏返しにして下さい
受け皿を用意し、エアクリーナーの内側から灯油を注ぎます。
灯油はジョッキーなどに小分けしておくといいかもしれません。
これで大きなゴミは取れると思います。
細かな砂や、スポンジの中に入り込んでしまった砂は
新たな灯油を受け皿に用意し、そこでスポンジを細かく揺すりながら
洗います。もみ洗いはダメです。綺麗になったら最初の状態に戻し
今度は本来の内面(SDRは内と外を勘違いしやすです)を同じように
揺すりながら洗います。

乾燥
洗い終えたスポンジは軽く絞るか、握って余分な灯油を出し
風通しの良い所で干しておきます。完全に乾く前にオイルを塗布すると
オイルが簡単に流れてしまいますので注意が必要です。
水洗いした場合はかなりの時間が必要です。

給油
2stオイル→4stオイル→ミッションオイルの順にオイルの粘度が
高くなります。あまり柔らかいオイルですとエンジンに吸われてしまったり
重力の関係で下に落ちてしまいます。
一般的には4stオイルを塗布しますが、無ければ2stオイルでも構いません。
スポンジ全体に染みこませ、余分なオイルはスポンジを握って取り除きます。
雑巾のように絞ることはしてはいけません。
Twin Airなどの専用オイルもありますが、粘度が異常に高く
(納豆のように糸引きます)競技用と思って下さい。
モトクロスのレースでは1レースで町乗りの1年分以上のホコリを吸いますので
徹底した防塵が必要ですが、町乗りではそこまで神経質になる必要はないと
思います。使い方を誤ると逆に吸気抵抗が増すだけですし(^_^;)

仕上げ
もし余裕があれば画像で示した部分に薄くシャシグリスを塗布しておくと
隙間からのホコリの浸入を防ぐことができます。

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キャブレター
エンジンの状態を左右するのがこのキャブレターです。
空気とガソリンを混合しエンジンに送ります。
上記の2つは比較的簡単かと思いますが、キャブレターのオーバーホールは
少しだけ注意が必要です。しかし、SDRは単気筒ですのでチャレンジしてみては
いかがでしょうか?

取り外し
タンクが外れているとして説明します。
先ず、冷却水を少し抜きます。これはキャブに冷却水が回っていて
ホースをいきなり外すとそこから冷却水が出てきてしまうことを防ぐためです。
バケツを用意しウオーターポンプの下にあるドレンを外して下さい。
このままですと水が出にくいのでラジエターキャップを外します。
全部抜く必要はありませんが、交換後2年を過ぎているものはこの際交換
してしまうのもいいかもしれません。

エンジンの上に電装関係が並んでいる黒いプレートがあります、そこの右下
に小さめのプレートがありますのでそれも外しておくといいかもしれません。
アクセルワイヤーがキャブに繋がっていますので先ずそこを切り離します。
ワイヤー単体では外せませんのでスロットルバルブと一緒に外します。
キャブ上部に+ビス2本で蓋がしてありますのでそのビスを外します。
ガスケットが固着していて外しにくい場合はドライバーの枝で軽く叩くといいかも
しれません。蓋が外れればワイヤーごとスロットルバルブが付いてきます。

余裕があったらワイヤーとスロットルバルブも切り離して下さい。
キャブを留めているインシュレーターのバンドを緩めます(外す必要はありません)
キャブのボディーを持ち、エアクリーナーケース側にキャブを引きます。
インシュレーターから外れたら少し斜めに振ればポロッと外れると思います。
これでようやくキャブが取り外せます(^^)

キャブが外れたらゴミなどが入らぬようにウエス等でインシュレーターを
保護しておいて下さい。

清掃
先ずは外側の汚れを落とします、ナイロンブラシか真鍮ブラシで擦って下さい。
時々ガソリンを掛けながらやるといいです。
ある程度綺麗になったら分解です。デジカメをお持ちでしたら時々撮影して
おくと後々困らないかもしれません。


全部バラスとこんな感じになります。どこに何があったのか良く覚えておきましょう(^^)
気づき難いのはアイドリングを調整するつまみです。つまみ→スプリング→ワッシャー
→Oリングと付いています。

各ジェットは詰まっていませんでしょうか?パイロットジエットは径が小さいので
詰まりやすいです。ちなみにジエットの番号は穴の直径を示し、#100=1mmです。
今回画像に紹介した物は全体的に腐食があったのとメインジェットホルダーの
詰まり、スターター系路の詰まり、フロートケース内のスターター経路への燃料
通路の詰まりがありました。

エアガンなんかがあるといいのですが我が家にはそのような物はありませんので
ブレーキクリーナーを使用します。頻繁に清掃されているキャブでしたらこれだけで
十分なんですが、今回の様な状態ですと不十分です。キャブクリーナー等のケミカル製品を
使用します。私は日産のエンジンコンディショナー(2千円位?)を使用しています。

フロートケースに細かなジェット類を入れスプレーします。ヒタヒタになるまで何度か
スプレーした後1〜2時間漬けておきます。キャブボディーの各通路もスプレーしておきます。
しばらくして取り出すとこんな感じに綺麗になっています。

この状態でも穴が完全に貫通していないものもあります。本来こういったジェト類は
交換するのが望ましいのですが、結構高いので御法度とされている針金攻撃しちやいます(^_^;)
荷札に付いている細い針金が最適?かと思います・・・・。その後 ブレーキクリーナーを使用
して各穴の貫通状態を確認します。問題なければ組立です。

今回一番苦労したのはフロートケース内のスターター経路への燃料通路の詰まりでした。
ドライバーで指している穴です。ブレーキクリーナーでもダメ、針金攻撃でも貫通しません。
1時間ほどグリグリやっていたらようやく貫通しました(^_^;)


組立後、フロートケースを付ける前に油面の調整を行いますが、自信が無いのでしたら
触らない方がいいと思います。

キャブをインシュレーターに付ける前にスロットルを全開にしてスロットルバルブが
スムーズに動くか、きちんと全開まで開いているか点検して下さい。
キャブのボディーの側面に点検小窓がありますが見にくいので直接目視点検した方が
確実かと思います。
インシュレーターはゴム製ですからバンドはいくらでも締まります、適当なところで止めて下さい。

走行後に冷却水の量を確認しておいて下さい。

おまけ
時たまアイドリングが落ち着かなかったり、調整しても変わってしまうこと
があります。原因は色々あるのですが、画像の様にスロットルバルブと
アイドルアジャストスクリューの接点にバリがあります。
ここに段差があったりすると上記の症状が出たりします。紙ヤスリ等で
なるべく平らにしておくといいかもしれません。


せっかくオーバーホールしてもタンクが錆びていると意味ありませんので
錆の多いタンクは燃料フィルターを必ず装着して下さい。

頻繁にキャブをバラスことも無いと思いますが、面倒なのは冷却水の処理ですね。
ピンチプライヤーがあればいいのでしょうけど・・・・。
冷却水をキャブに通すことにより、冬場のアイシング防止(スロットルバルブの氷による張り付き)
と霧化促進に役立っています。これをエンジン側でループさせてしまえば整備性は向上
します。しかし最悪はエンジン全開でアクセル戻らなくなりますので・・・(^_^;)
自己責任でやって下さい。

 

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